金銭消費貸借に関するQ&A ③返してもらう期限を決めなかった?
2016/06/07

(例)
私は、友人に「緊急に50万円貸して欲しい」といわれました。
慌てた様子だったので、いつ返済するという期限の約束をしないままお金を渡してしまいました。
支払期限を定めなかった場合、いつ返してもらえるのでしょうか。
A.あなたが請求した時に返還してもらえます。
①確定期限の定め
金銭消費貸借契約においては、具体的な返還期限を定めることが通常です。
典型的には「◯年◯月◯日限り」などとします。
これは、いわゆる、「確定期限」の定めです。
この場合、当然ながら、借主には◯年◯月◯日までに返済することが義務づけられます。
他方、ただ「返還する」という約束だけをして、返還時期を具体的に定めない返還約束も有効です。
②不確定期限の定め
また、確定的な日時の約束をしなくとも、例えば遠方に住んでいる友人に対して「次の転勤で東京に戻ってきたら返す」というような約束は、「不確定期限の定め」といいます。
この場合、現実にその友人が転勤で東京に戻ってきた日が返済すべき期限となります。
③期限の定めのない場合
さらに、確定期限や不確定期限さえ定めない消費貸借契約も、「返す」という返還約束があれば、消費貸借契約として有効です。
期限の定めをしない債務の場合、請求を受けたときが「履行期」というのが原則ですが、消費貸借の場合、返すために同種・同品質・同数量のものを調達する必要がありますので、事前の「催告」が必要となります。
すなわち、「相当の期間」を定めて、「◯月◯日までに返してください」と事前に「催告」すれば、その◯月◯日に借主に返済義務が生じるのです。
さて、「相当の期間」とはどのくらいの期間をいうのでしょうか。
これについて、明確な定めはありませんが、通常、1週間、10日もしくは2週間くらいを定めることが多いようです。
期限を定めなかった場合、借主はいつでも返還することができます。