金銭消費貸借に関するQ&A ⑬お金を借りていた友人が死亡した

      2016/06/07

syassin

(例)

先日、私が300万円借りていた友人が亡くなりました。

返済期限になって、友人の妻と名乗る女性から借金金額の返済を求められました。

私は、その人に全額を返済するべきなのでしょうか。

 

A.法定相続分の返済義務があります。

 

友人の死亡により、相続が開始され、友人のあなたに対する貸金債権は相続人に帰属します。

したがって、貸主が死亡したからといって、あなたの借金がなくなるわけではありません

相続人が1人であれば、その人に全額返済することになります。

相続人がいない場合でも、家庭裁判所から相続財産管理人が専任され、その人から返済を求められる可能性もあります。

相続人が複数いる場合はやや複雑です。

遺産分割や遺言で債権の帰属がはっきりと決まったら、あなたの債務の帰属に応じて返済をすればいいのですが、返済する際には、返還を求める人が正当な権利者であるか確認することが必要です。

なぜならば、正当な権利者でない人にいくら返済しても、有効な弁済とはならずに借金がなくならないからです。

したがって、返済する際は、公正証書遺言書、裁判所で作成された遺産分割調書、戸籍によって確認された相続人全員の印鑑証明が添付された遺産分割協議書など、相続による債権の帰属を証明する書面の提示を求め、その人が亡くなった友人のあなたに対する債権を本当に相続する人であるか、確認すべきです。

このような場合、万が一その人が正当な権利を有しない人であったことが後で分かったとしても、あなたの返済は有効とみなされる可能性が高いといえます。

さて、突然、相続人と称する女性からの返済請求がああったあなたの場合、まずは戸籍などでその人の相続資格を確認する必要があります。

妻と言っても、内縁の妻であった場合、法律上、相続人とはなりません。

また、請求者が相続人であったとしても、他の相続人がいて、その人が全額を受ける権限があるかはわかりません。

このように、請求者が明確に債権全額を受け取る権限があると確認できないのであれば、支払いをせず、法務局に対して、債権者不確知を理由とする供託をすることが賢明でしょう。

供託をすれば、実際に返済を行った場合と同様の効果が生じ、借金はなくなり、遅延損害金などの発生も防ぐことができます。

他方、容易に支払いに応じてしまうと、後に真の権利者が出てきた場合、二重払いを余儀なくされるリスクがあります。

 

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