金銭消費貸借に関するQ&A ⑤売った車の代金を払ってくれない!

      2016/06/07

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(例)

私は、友人に代金50万円で自分が乗っていた車を売る約束をして引き渡しました。

ところが、支払期限になっても友人は代金を支払ってくれず、利息を払うから支払期限を1年後にして欲しいと言い始めました。

この場合、金銭の授受はありませんが、私が友人にお金を貸したことになるのでしょうか。

 

A.お金を貸したことと同じです。

 

あなたが、友人と行った契約は、法律上、「準消費貸借契約」といい、消費貸借契約の一種です。

消費貸借によらず、すでに他の法律原因によって、金銭その他のものを給付する義務を負う者がある場合で、その物を消費貸借の目的とすることを約したときは、これによって消費貸借契約が成立したものとみなされます。

簡単にいえば、当初、友人があなたに支払うべき50万円は売買契約によって生じた車の代金支払債務でしたが、あなたと友人が今回の約束をしたことによって、法律上、その50万円の支払義務は、1年後を返済期限とした金銭消費貸借、すなわち借金の元本として返済義務を負ったのと同じことになったということです。

 

消費貸借の成立要件は、「返還約束」と「金銭の授受」ですが、準消費貸借の場合、すでに別の法律関係によって支払義務が生じているところ、あとからお金を返す約束にするわけですから、金銭の授受がありません。

消費貸借における現実の目的物の授受を必要とせず、当事者の意思表示によってのみ成立するところに「準消費貸借契約」の特徴があります。

あなたのケースで50万円は、当初の売掛債務から貸金債務に、法律上の性質が変わったことになりますが、判例は、当事者が特段の意思表示をしない限り、同一性が維持されたものと推定するとしています。

 

同一性が維持されるということは、例えば、旧債務の保証人は、引き続き新債務の保証人になるということを意味します。

あなたのケースで、車の売買契約で友人の保証人となった人がいれば、準消費貸借契約においてもその人は保証人となるわけです。

では、このような場合、時効についてはどのように考えればいいでしょうか。

時効は契約の法律関係によって、政策的な観点からその期間の長短が決まっています。

したがって、当事者の意思表示で決められるものではなく、常に準消費貸借の新債務の性質によって決せられるというのが判例です。

ですから、仮にあなたの売掛債務が、2年の時効にかかる場合であったとしても、準消費貸借契約となった場合、通常の10年の消滅時効となるということです。

 

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